トーマス・シングによる『ザ・キー 岸壁荘の盗難事件』を遊びました。
1人から4人用の推理ゲームです。
ゲームの概要
断片的な情報を集めて、真相を見抜く、推理ゲームの一種です。
ただ、従来の推理ゲームと言えば『クルード』『スルース』『ブラックウィーン』『カテリーナの陰謀』『P.I.』『幻影探偵団』等、枚挙にいとまがありませんが、数あるカードの中からランダムに1枚を抜いて、その1枚を当てるというのが趣旨でした。
少し前に『クリプテッド』を遊んだときに「ああ、これは新しいタイプの推理ゲームだな」と感じましたが、この『ザ・キー』は明らかに新機軸です。
『ザ・キー』のコンポーネントには9つの鍵が含まれており、ゲーム開始時に、どの鍵を使って遊ぶか決めます。
この鍵が言わばシナリオに相当し、鍵ごとに結末、すなわち犯人/犯行時刻/盗まれた物/逃走手段が決まっています。そして、ここが、ほんとうに優れているのですが、140枚もあるカードは、裏面に「どの事件用の情報であるか」が明記されており、そのゲームで使うと決めた鍵の色を持つカードだけが、今回のゲームにおいては有効なのです。
一度、覚えた情報を完璧に記憶してしまう方であれば、本ゲームを9回しか遊べないことになりますが、多くの方は9回も遊べば、最初に遊んだゲームの組み合わせなんて忘れているので、順々に遊べば事実上、無限に楽しめます。
従来型推理ゲームのように1枚を抜いて、その1枚を当てるという解法が共通しているわけではなく、9種類と結末が決まっているからこそ、途中の展開が異なりますし、また、ゲームに勝利するには一刻も早く組み合わせを特定するのではなく、もっとも有益情報度合いが少ないプレイヤー、つまり少ない手がかりで真相に辿り着いたプレイヤーが勝利するという図式もエレガントです。
推理ゲーム好きには、是非、遊んでいただきたい1作です。
一緒に遊んだぺこらさんとのラジオ
終わりに
ところで箱には初級レベルと明記されています。
ということは、今後、中級や上級がリリースされる計画もあるのでしょうか。楽しみです。