2013年11月から2016年1月にかけて封切られた劇場版『ペルソナ3』こと『PERSONA3 THE MOVIE』を見終えたので感想を書きます。
ネタバレしていますので、ご注意ください。
ペルソナ3とは
2006年にPS2版が発売、2009年に『ペルソナ3ポータブル』とリメイクされたPSP版が発売されたアトラスのRPGです。
『ペルソナ4』と『ペルソナ5』によって、今となっては知らないひとなどいない、日本を代表するRPGシリーズのひとつになりましたが、当時は『女神異聞録ペルソナ』、『ペルソナ罪』(及びその続編『ペルソナ罰』)に続くシリーズ第3弾ということで、どちらかと言うと知る人ぞ知る系の、コアなファンに支えられていたシリーズだったように思います。
『女神転生』の流れを汲み、どこか陰鬱なムードのあった前作までの雰囲気を断ち切り、ポップでライトなデザインを前面に打ち出したり、オシャレな英語の曲を採用し、一気に新ユーザを獲得し、人気RPGシリーズに名乗りを上げました。
私も6年前に遊びましたが、今でも記憶に深く残っている、人生を通して好きなRPGベスト10に入れたい傑作です。
映画の感想
2013年に劇場版の第1作『#1 Spring of Birth』が封切られたときから気になっていたのですが、全4部作ならばまとめて見たいなと思い、いったん見送ってしまっていました。
その後、2014年に『#2 Midsummer Knight's Dream』、2015年に『#3 Falling Down』と順調に進み、2016年に『#4 Winter of Rebirth』で完結したときに見れば良かったのですが、なんとなくタイミングを逸してしまい、今年まで置いてしまっていました。
と言うわけで、6年ぶりに『ペルソナ3』の世界観に触れたわけですが……、良かったですね!
振り返って考えて見ると『ペルソナ3』は、脇役のひとりひとりが魅力的で、色々なキャラクターとの絆の積み重ねで成り立っているので、映像化にあたり、そのすべてを拾い集めることはできません。
脇役どころか、プレイアブルキャラクターも多いので、ひとりひとりに焦点を当てていくと、とても間に合いません。と言うわけで、全体的に駆け足感と言うか、ダイジェスト感がありました。
原作プレイ済みの身からすれば、良いところだけを連続して見られるので、次から次へと思い出が刺激されるのですが、それでも、凄まじい勢いで時間がすっ飛ぶので、ときにはキャラクターたちの感情の推移についていけないときがありました。
原作未プレイで、本作から入ったひとは、ちょっとついていけないレベルかもしれませんが、さすがにそういう方は少数派だから良いのかもしれません。
個人的には、荒垣真次郎と天田乾、伊織順平とチドリ、山岸風花と森山夏紀、そしてアイギス全般が好きなのですが、十分に掘り下げられていて満足でした。
後、やはり何と言ってもニュクスが近づき、世界が雪に覆われた後のエリザベスのコミュは最高でしたね。ここで来るのか! と驚くと同時に、エリザベスとの絆を経て、主人公が再び目覚めていく流れが、とても、とても良かったです。かつて、プレイヤーを恐怖に陥れた「メギドラオンでございます」で、救われるシーンは、グッと来ますね。
唯一の残念ポイントは、ラスボス戦においてBGM『全ての人の魂の戦い』が流れなかったことでしょうか。
ベルベットルームのテーマ曲でもある『全ての人の魂の詩』は、『女神異聞録ペルソナ』の頃からプレイヤに癒やしを与えてきたと思っていて、これが大胆にバトル曲にアレンジされたのは、もう最の高なので、ほんとうに聞きたかったです。
とは言え、エンディング『キミの記憶』はちゃんと流れてくれて良かったです。劇場版の結末は、ゲームのそれと比較すると、少しマイルドになっていましたが、嫌いじゃないです。
終わりに
ペルソナシリーズは『3』までが好き過ぎて、未だに『4』と『5』には触れられていません。
リアル謎解きゲームとコラボすることが多いので、コラボコンテンツには触れているのですが、やっぱりアトラスのゲームにはダークであってほしいという謎の願望があるのですよね。