雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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ボードゲーム『マイシティ』の感想

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 クニツィアによるボードゲーム『マイシティ』を遊びました。
 2人から4人用のレガシー系のタイルゲームです。

ゲームの概要

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 お題カードに従って個人のボード上にタイルを配置して高得点を狙う、一言で説明するとこんなゲームです。
 プレイ感としてはロール&ライト系に近いですが、紙ペンではなくカードとタイルが用意されているので繰り返しのプレイに耐えられます。また、エピソードを経るごとにボード上にシールを貼ったり何なりと指示され、ルールが増減するレガシー系であることが大きな特徴です。
 レガシー系と言っても1回遊んだら終わり! ではなく、ボードをひっくり返せば「永遠モード」となり、文字通り永遠に、何度でも遊ぶことができるようになります。

ゲームの感想

 激烈に面白かったです
 プレイ中に、何度も「クニツィアは天才か!」と思いました。
 クニツィアというボードゲームデザイナーを表現する上で、最も代表的なタイトルは3大競りゲーの筆頭と言える『モダンアート』でしょう。1992年にリリースされた名作です。
 クニツィアは多作家とも知られ、600作もの作品をデザインしています。
 これだけ手掛けていれば、さすがに才能も枯渇するのではと思いますが、ここに来て従来のドイツゲームらしからぬ、タイルゲーム。しかもレガシー系と今風のボードゲームに手を伸ばし、しかもきっちりと昔からのボードゲームファンも、最近のボードゲームファンも楽しめる作品に仕上げているあたり驚かざるをえません。


 とにかく新旧のデザインが融合されている点が美しいです
 この手のゲームは、箱庭感があって他プレイヤーとのインタラクションは薄めです。最近の、プレイヤー同士の争いを避けるデザインの具現化と言えます。しかし『マイシティ』の場合、基本となる土台はソロゲーなのですが、いくつかの要素に早いもの勝ちの要素を盛り込むことで、巧みにプレイヤー間のインタラクションを生み出しているのです。しかも、この本来は相容れないデザインは、有機的に結合されており、違和感なく機能しています。
 シールを貼ることで、追加されるルールも考え込まれており、キングメーカー問題を回避しつつ、プレイヤー間の競争を奨励しつつ、絶妙なバランスが取られています。
 そして、ダメ押しが「永遠モード」です。どんなにプレイ時間が長くても1回しかプレイしないのであればNOという層も納得せざるをえない「永遠モード」が搭載されています。
 もう、憎すぎます。
 クニツィア、天才では?


 全チャプタークリアに要した時間は、2人プレイで約11時間
 さすがに堪能したので「永遠モード」は未着手ですが、少し時間を置いて「また遊びたいなあ」と思ったら、試してみる予定です。
 がっつり遊べて、昔のボードゲーマーも今のボードゲーマーも等しく楽しめる『マイシティ』今年のイチオシです。