雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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第82回『ボードゲーム読書会』参加レポート

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 3月26日に開催された第82回『ボードゲーム読書会』に参加させていただきました。
 前々から興味があったのですが、ついに一念発起して参加させていただきました。

会の概要

 詳しくはサイトを見ていただければと思うのですが、初参加の会は、勝手が分からないのでドキドキしますね。と言っても、主催のひとりである草場さんは仲良しですし、いざ会場に足を運んだら見知った顔が何人もいました。

『Tired Of』創刊号

 最初に取り上げられたのは、遊びの居場所を耕す雑誌『Tired Of』の創刊号。
「遊び」に関するテーマを専門的に扱う「遊と暇」による発行で、年2回の定期刊行を予定されている様子です。詳しくは下記。

 創刊号の特集は「ちゃんとしなくていい路上。」ということで、路上での遊びに関する考察やスケートボーダーへのインタビュー等が載っていたそうです。こちらは未読のまま臨んでしまったので、あまり口を挟まず拝聴させていただきました。
 興味深かったのは「産業道路」と「生活道路」に関する話。「産業道路」は道路の両側を分断するが、「生活道路」は道路の両側を繋ぐらしい。なるほど言い得て妙です。また、スケートボードと一輪車の比較や、オーダーとディスオーダーを巡る言説なども面白く、コンクリートポエトリーという概念を知ることができたのも収穫でした。

 また、アムステルダムの街並みに関するくだりで、日本における切り取られたヨーロッパ的風景として、ラブホテルとパチンコ屋の指摘があったことが興味深かったです。確かにラブホテルは、ときに古城の如き佇まいですが、パチンコ屋と言えば無機質な長方形というイメージが強いです。しかし、郊外のパチンコ屋は異様な建築物であることがあるらしく、その様子を紹介した『パチンコ産業史』は一度、読んでみたいと感じました。
パチンコ産業史―周縁経済から巨大市場へ―

パチンコ産業史―周縁経済から巨大市場へ―

  • 作者:韓 載香
  • 発売日: 2018/02/16
  • メディア: 単行本

『ゲームメカニクス大全』概要+8章

『Tired Of』の後は、ボードゲームにおけるメカニクスをまとめた百科事典とも言える『ゲームメカニクス大全』。と言っても全体を取り上げると何日も掛かってしまうので、8章「オークション」のみ。
 この読書会のために『ゲームメカニクス大全』を買ったのですが、2章の半ばまでしか読むことができませんでした。読書会を片耳で聞きつつ、せっせと8章だけ読んだのですが、これは良かったと言えます。
 分からないところは「同ジャンルでは、他には『クーハンデル』が挙げられる」ですとか「たとえばクニツィアなら『マネー』も入る」など、本文に書かれていないゲームタイトルも、次々と参加者から出てくるので理解が深まります。
 私は、まだ2章の半ばですが、既にいくつか引っかかるところがあり、ややモヤモヤしたものを感じていたのですが、同じようにモヤってる方を見ることができたのも良かったです。

終わりに

 閉会後、草場さんがお持ちになられていた『史学研究とゲーム研究の徒・蔵原大―遺稿と追悼―』を少し読ませていただきました。残念ながら蔵原大氏とは生前にお会いする機会に恵まれませんでしたが、このような形で触れ合うことができて良かったと感じました。
 調べたところPDF版がBOOTHで無料ダウンロード可能でしたのでダウンロードさせていただきました。少しずつ読み進めようと思います。

 読書会という会への参加は久々でしたが、とても新鮮でした。得るものが多かったので、次回以降も参加したいですね。