コロナの影響を受けて、封切りが1年延期となっていた劇場版『名探偵コナン 緋色の弾丸』を初日に見てきました。
色々と思うところがあり、もやもやを抱えながら感想を書くことにします。ネタバレあり、かつ褒めていないのでファンの方は回れ右推奨です。
『ゼロの執行人』との対比関係
映画館で『ゼロの執行人』を見たときは、福山雅治によるED曲「零 -ZERO-」に聞き惚れつつも、次回予告が怪盗キッドで肩を落としたものです。それだけに『紺青の拳』の予告「届け、遥か彼方へ──」には震えたものです。
さて『ゼロの執行人』と『緋色の弾丸』を比較すると、過去の事件が現在に繋がっていることや、誤認逮捕や冤罪による死などミステリ作品としての構造が似通っています。前者は公安に所属する安室透、後者はFBIに所属する赤井秀一がキーパーソンとなっており、作品全体のファンとしては鏡合わせのような作品を俯瞰するのが楽しいと──、
とは言いにくいです。
端的に言って期待値が高かったです。
赤井派のわたしをしても『緋色の弾丸』より『ゼロの執行人』の方が面白かったと言わざるをえません……。
待ちわびた『緋色の弾丸』ではなかった
「一家(ファミリー)、集結──」とあるように『緋色の弾丸』は、赤井秀一だけに焦点を当てているわけではありません。その母メアリー、弟の羽田秀吉、そして妹の世良真純も肩を並べています。そして、予告にはいませんでしたが、赤井務武もその影をチラつかせていました(Twitterの予告等)。
しかし、残念ながら一家が実際に集結するシーンはありませんでした。敢えて言うと赤井秀一が偶然、羽田秀吉を拾い、その勝ち筋を見通すちからを、FBIの仲間に届けましたが、それくらいです。むしろ前半に目を向ければ、世良真純と沖矢昴が戦っているくらいですからね……。
なんだったら『緋色の不在証明』の方が集結してましたよ……。
また、上述の通り、赤井秀一は赤井一家のひとりに過ぎず、その活躍シーンは……活躍シーンは……正直なかったです。
沖矢昴としての戦闘シーンはありましたが、その戦闘だって勘違いがキッカケと言えますし、変装を解いてからは一発だけ狙撃しただけで(しかも、盛り上がりに欠ける)、後は羽田秀吉の運転手として名古屋市内のドライブを楽しんでいた様子です。
どちらかと言うと活躍していたのは世良真純です。彼女はコナンと共にリニアに乗り込み、犯人対決等、見せ場が多かったです。
意外や意外、リニアに乗り込んでいない組として、コナンの意図を正確に伝え、その手足となって活躍したのが、まさかの灰原哀。完全にヒロインでしたね。
そして、メアリーに至っては中盤に姿を消してからは、Cパート(?)でちょっと顔を見せただけ……。
『緋色の弾丸』という映画を振り返ったとき、コナンのパートナーが誰であったかを問われたら答えは世良真純であり、灰原哀。残念ながら赤井秀一でもなければ、赤井一家でもなかったです。
併せて読みたい
終わりに
来年の劇場版は、警察学校編ということで、第一印象は「また安室さんか……」でした。
と言うわけで、全体的に残念感が否めませんでしたが、興行成績的には順調な滑り出しらしく、首尾よく100億を越えれば赤井さんのスピンオフ漫画も期待できますし、今後の派手な展開を願いたいばかりです。