YUTRIOさんのゲームマーケット2021春の新作『CARTA MARINA』を遊びました。
2人専用の協力ゲームです。
ゲームの概要
プレイヤーは海賊の一味となり、伝説の船「カルタマリナ」に乗り込み、目的の島を目指します。
航行の最中、船はクラーケンに襲われ、どんどん破壊されていきます。水で溢れかえる船内から排水しつつ、手札を整えて船を進めるゲームです。
ゲームの感想
前作『TWO ROOMS』が傑作だったので、第2作となる本作も期待値が高かったのですが、あるいは期待しすぎてしまったかもしれません。
と言うのもメカニクス的な話をすると、前作はプレイヤーごとに持っている情報が異なる非対称型で、しかも相手プレイヤーの手番中は目をつむらなければならないという点が、ボードゲーム史上、類を見ないほどにユニークでした。
一方、本作の場合、全カードは公開情報で、両プレイヤーに差はなく、前作で解決できていた奉行問題に囚われてしまっています。
また、ゲームの基本的な構造が「船を前進させるために手札を整えつつ、船が沈まないように排水する」なのですが、これは協力ゲーム『パンデミック』が持つ「特効薬を開発するために手札を整えつつ、感染拡大しないようにウィルスを治療する」に似通っており、今ひとつオリジナリティが感じられませんでした。
もうひとつ、非対称要素がないことから2人専用にする必要はなく、おそらく「2人専用の協力ゲームに特化しよう」というコンセプトが先行したものの、デザインに落とし込めていないなとも感じました。
……と、なんだか苦言ばかり呈してしまいましたが、良いところもあります。
平たく言うと、短いプレイ時間ながら歯ごたえのある、コンパクトな協力ゲームであるところですね。前作『TWO ROOMS』がカードメインだったのに対し、本作はボード、タイル、キューブなどコンポーネントが多く、ボードゲームを遊んでいる感が強く、プレイヤーの体験価値は上がっているなと感じました。
終わりに
期待値が高かっただけに、いっぱい書いてしまいました。
ポテンシャルのあるデザイナーさんと感じたので、次作以降も追いかけていければと。