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ゲーム『戦国BASARA 真田幸村伝』の感想

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 シリーズの人気キャラクター、真田幸村に焦点を当てたゲーム『戦国BASARA 烈伝シリーズ 真田幸村伝』を遊びました。
 面白かったので感想を書きます。ネタバレありなのでご注意ください。

戦国BASARAと戦国無双と私

 シリーズは1作目の『戦国BASARA』と、2作目の『戦国BASARA2』のみ遊んでいます
 よく比較される無双の方は、記憶があいまいですが『戦国無双』か『戦国無双2』もしくは両方と『無双OROCHI』を遊んでいます。
 話題だったので当時は『戦国無双』から入りましたが、宣伝されていたほど無双感がなく、後からプレイした『戦国BASARA』の方がプレイ感が合い、ハマりました。『1』も『2』もそうとうやりこみました。
 特に好きなキャラクタは伊達政宗
 奥州筆頭 独眼竜 伊達政宗、推参。
 カッコよすぎじゃないですか。
 味方が暴走族じみた輩で、本人も変な英語を使っていますが、そういうちょっとヤンキーっぽいところも好きですね。
 後、むちゃくちゃですけれど、六爪流もカッコいいです。
 いちばん好きな武器は爪破。刀身が3つある刀って、エゲツないですよね。しかも、そんな刀を左右で6本持つってことは、計18つの刀身を振り回しているわけで、このデタラメさが愛おしいです。


 閑話休題。
 筆頭のことになると、いくらでも語ることができるのですが『無双OROCHI』を機に「BASARAもいいけど、無双もいいな」と気持ちが変わりました。
『BASARA』シリーズは、とにかく大胆かつ破天荒なデザインが見ていて飽きませんし、プレイの豪快さという観点では圧倒的です。でも、歴史が持つ奥深いストーリーや、ミッションをこなし戦況をコントロールする軍師の楽しさが得られるのは『無双』なんですよね。
 新作が出たら『BASARA』よりも『無双』を優先しようと当時に思ったのですが、その後、しばらくデジタルゲームから離れてしまいました。

『戦国BASARA 真田幸村伝』の感想

 と言うわけで、10年以上ぶりにBASARAか無双に触れたいなと思ったときに本作が目についたので手を伸ばしました
 真田幸村の生涯が追体験できるということで、幼少期から大阪夏の陣までを全10章で追いかけるという作品でした
 面白いは面白かったんですけれど、いくつかの点において不完全燃焼でした。



 気になったところを書こうと思いましたが、先に良かった方から紹介させてください。
 なんと言っても伊達政宗ですよね!
『戦国BASARA』では、よく宿命のライバルみたいなかたちで2人が描かれますが、


伊達政宗と真田幸村が、幼少期に出会っていて友情を結んでいただとぅ? おいおい、マジかよ。マジで言ってるのかよ


 とテレビに向かって突っ込みましたが、ここが日本の戦国時代ではなく、BASARA時空と考えれば、それほど違和感はありません。むしろ、しぜんなことのようにさえ思えました。
 これが公式に許されるってことか……と冷静に判断しました。
 と言うわけで、伊達政宗絡みのエピソードは、おおむね許せます。


 幸村の父、真田昌幸も良かったです
「軍略家であったことから奇術師の異名を持っていた」まではいいですが、サーカスの団長のような格好に、マジシャンのごとき攻撃には思わず目をむきました。しかし、最終的には、なんとなく馴染みましたし、ふたりの息子を深く愛し、その行く末をさいごまで案じていたところは父親としての愛情に溢れていましたし、とても良かったです


 しっくり来ないのは、主にストーリー的な展開ですね。
 真田幸村に関係のないところは、華麗にすっ飛ばされますし、ほとんど描かれもしないのです。
 幼少期編が終わり、梵天丸こと伊達政宗と別れたと思った次の瞬間には、もう武田信玄は死んでいますし、武田勝頼を巡り天目山の戦いで織田信長と敵対とした次の瞬間には、もう本能寺の変が終わり信長は死んでいますし……時代がぴょんぴょん飛ぶんですよね。
 関ヶ原でも、真田昌幸と真田幸村は、なんか抜け道として使えるらしい井戸を守らされるのですが、せっかく井戸を守り抜いても、いつの間にか石田三成が討ち取られていて負けてしまうのです。


 そう、バトルに勝ってストーリーに負けるという展開が多かったです
 史実に従うならば、やむを得ないのでしょう
 ゲームとしてボスを登場させて、そのボスのHPを0にすることができたらステージクリア。でも、その戦場において真田軍が敗走したことが史実である以上、ボスのHPを0にできたからと言って真田軍が勝利できたことにはできない
 苦肉の策として、プレイヤーが関わった局面では小さな勝利が得られた、しかし大局的には敗戦。そういうデザインにしたのでしょう。


 製作者側の気持ちも分からないではないですが、それでもプレイヤーとしては「勝ったはずなのに負けた」というモヤモヤが残ります
 そもそもBASARAは、従来の考察を無視して、ある1点を拡大解釈して、他にない魅力的なキャラクターを作り上げてきたのが魅力です。
 たとえば、信長にサルと呼ばれた豊臣秀吉は、多くのゲームにおいて小柄だったり線が細かったりする、ひょろひょろとしたキャラとして描かれます。しかし、BASARAにおいては逆に、筋骨隆々とした毛深い大猿の如き存在として描かれます。
 他のゲームでは許されないキャラクターデザインでも、ことBASRAにおいては許される。そういう懐の広さというか、おおらかさを感じていました。


 キャラクターデザインに対するおおらかさと同じものを、ストーリーに対しても発揮できなかったのでしょうか。
 武田信玄が天下統一を果たしてしまうifでもいいですし、なんだったら信玄亡き後、真田昌幸を担ぎ上げて天下統一でも良かったです。BASARAならではの、他のシリーズ、他の作品では許されないようなifが見たかったです
 ただ、史実に反する物語を描いてしまうことは、歴史物として大きな判断が求められますし、ifを許した時点で、ジャンルはまったく別物になるでしょう。
 キャラクターは改変するけれど、真田幸村伝を名乗る以上、史実には従う。……そういうことなのかもしれません。

終わりに

 と言うわけで、今ひとつしっくり来なかったのですが、伊達政宗周りと真田昌幸周りは、おおむね好きです。逆に、真田幸村視点だったからか、真田信之には、今ひとつ感情移入できませんでした。
 心情的には「これからは日本企業じゃなくて外資だよね! 転職しよ!」みたいな感じなのでしょうが、もう少し掘り下げて貰いたかったかなあ、と。後、銀髪ツインテールと、謎の武器に、最後まで馴染めなかったのもあります。
 烈伝シリーズとして伊達政宗も取り上げてもらいたいところですが無理ですかねえ。