アントワーヌ・ボウザによる『7Wonders』シリーズの最新作『7Wonders: Architects(世界の七不思議:建築家たち)』を遊びました。
2人から7人用のボードゲームです。
ゲームの概要
『7Wonders』の名を冠してはいますが拡張ではなく、続編もしくは『7Wonders: Duel』と同じくスピンオフ作品です。
プレイヤーは建築家となって世界の七不思議の建築を目指します。カードドラフトは計3箇所からの変則的なオープンドラフトとなり、拡大再生産の要素も控え目になりました。
結果、圧倒的に軽量化され、30分以内にゲームが終了するコンパクトなデザインになりました。
ゲームの感想
時代の要請に従って生み出された、まったく新しい『7Wonders』という印象です。
10年前、まだまだボードゲームの総数が少なかった頃、カードゲームに求められていたのは、ボードゲームに負けない重量感であり複雑感でした。『7Wonders』はその期待に応え、多くの賞を受賞し、多くの拡張をリリースし、さらに多くの期待に応えていきました。
時代は変わり、ボードゲームの総数が増え、プレイヤーは、より短く、より分かりやすく、より1回の体験が優れているゲームを求めるようになりました。
「ボウザが、もし、いま改めて『7Wonders』をデザインしたら、どんなゲームになるのだろうか?」という問いに対するアンサーが、まさしく本作『7Wonders: Architects』でしょう。
デザインはシンプルに整理され、より軽く、より短い時間で遊べるようになりました。
また、Wonderごとに固有のタイルが用意され、それをひっくり返していくことでWonderを自らの手で完成させることができる、という点もスマートです。やはり「手を動かす」というのは、ボードゲームの最大の楽しさであり、醍醐味でもあるので、それをきちんと実装してきたのは好感が持てます。
最高に、ひとを誘いやすいゲーム。
と思う一方、残念ながら『7Wonders』よりも、白熱した2人対戦が楽しめる『7Wonders: Duel』を愛する、わたし好みのデザインではなかったです。すこし残念ではありますが、こういうゲームも必要ですし、こういうゲームをきちんと作り込んできたボウザというデザイナーには尊敬しかありません。
終わりに
今までの作品に拡張がリリースされたことを考えると、本作にも拡張がリリースされることかと思われます。
より複雑さを増して貰えればと思うので、期待して待つことにします。