雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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ゲームポエムというジャンルの可能性を感じる『バビルサの牙』の感想


 Grun Gamesの依酉みどりさんによるゲームマーケット2022秋の新作『ゲームポエム集 バビルサの牙』を読みました。
 依酉みどりさん考案の、様々なゲームポエムが集められています。

感想

 ゲームポエムと聞いて、いちばん最初に思い浮かぶのは『光より遅く』です。
 ロールプレイングポエムとも呼ばれるゲームならぬポエムで、とても叙情的な体験が得られます。
『光より遅く』は2015年頃に流行し、何人かの方がオリジナルのゲームポエムやロールプレイングポエムを手掛けてインターネット上で発表しましたが、ムーブメントに至ることはありませんでした。


 あれから7年『ゲームポエム集 バビルサの牙』の存在を知ったとき、期待に胸をふくらませて購入させていただきました。
 帰宅してページをめくって思わず叫びました。


この手があったか……!


 本作には30弱のゲームポエムが収録されていますが、そのいずれにもプレイ人数やプレイ時間は記載されていません
 ルールとして成立していない作品も多く、ゲームとは言えないもの、遊ぶことができるレベルに至っていない作品も少なくありません
 しかし、それの、どこに問題があるのでしょうか?
 本作の冒頭には、こんな記載があります。

詩は、読んだ人によって解釈が異なることがあります。ゲームポエムも、詩として、ゲームとして読み手側で自由に解釈して楽しんでいただくことが出来ます。

 電流が駆け抜けたかのような衝撃でした。
 1編の詩として楽しんでもいいし、ゲームとして遊んでもいい。
 なんて自由な作品形態なのでしょうか。
 実に素晴らしいです。

終わりに

 いくつかの作品は、実際に遊んでみましたが、ゲームとしての感想は書かないことにします。
 一風変わったゲームデザインに触れてみたい方、実験小説がお好きな方、オススメです。