皆さん、こんにちは。秋山です。
3月に遊んだり触れたりしたものを振り返ります。
- サクライグノラムス
- パラダイスキラー
- 小森収『明智卿死体検分』
- Unsolved Case
- 雨格子の館
- 舞台「LIAR GAME murder mystery」
- グランブルーファンタジー
- 第9回ミスボド本厚木
- 極限脱出ADV 善人シボウデス
- 陸秋槎『元年春之祭』
- 住吉九『ハイパーインフレーション』
- 清涼院流水『2022年2月22日午後2時22分』
- ケンブリッジの迷宮
- Bladed fury(幽林怪談)
- Before I Forget
- 第43回トランプ勉強会
- シヴィライゼーション6
- Inside
- 英国アンティーク博物館
- Chinatown Detective Agency
- Lamentum
- パラノマサイト FILE23 本所七不思議
- 新米オーナー、見習いスタッフたちとレストランを救う。
- アメリアの秘密
- 阿津川辰海『入れ子細工の夜』
- 終わりに
サクライグノラムス
『シノビナイトメア』は触れませんでしたが、プロデューサーの今泉潤氏が満を持して、そして世界観設定・シナリオ協力に広井王子氏が参戦! ということで『サクライグノラムス』遊び始めました。
もっとも、まさか、月末にサービス終了の告知を見ることになるとは、このときは思いもしませんでした……。
パラダイスキラー
オープンワールドで表現された遠未来における、ある島での四重密室殺人事件を描いた推理ゲーム『パラダイスキラー』。
ビビットかつサイケデリックな世界観で、コアなSF観に打ちのめされました。
プレイヤーはいつでも捜査フェイズを終了し、裁判フェイズに入ることができるのですが、捜査フェイズでしっかりと証拠を集めておくことで、裁判フェイズにおいて証人に証拠を突きつけることができるようになります。
プレイアビリティにやや難があり、島での証拠集めに心が折れましたが、なんとかクリアできました。遠未来SFならではの殺人事件の捜査と推理、そして裁判。堪能させていただきました。
小森収『明智卿死体検分』
ランドル・ギャレット『魔術師が多すぎる』の世界観において、日本ではどのような魔術世界が繰り広げられていたのか、というifを描いた作品、小森収『明智卿死体検分』。
作風、文体、人物描写、そのすべてが好みで、すぐに世界観に引き込まれ、最後まで没頭しました。非常に素晴らしかったので、ぜひともシリーズ化していただきたいですね。
Unsolved Case
Twitterで評判だったアナログ推理ゲーム『Unsolved Case』。
膨大な情報量に押しつぶされるかと思いましたが、じっくり読んで、ちゃんと探したり、過不足なくヒントが揃っていて、さっくり解決することができました。意気込んだわりにはシンプルだったので、もう少し難しかったら、もっと楽しめたかもしれません。
雨格子の館
PS2の隠れた名作と名高い『雨格子の館』を遊びました。
嵐の山荘に集まったのは、一癖も二癖もある面々。役者である彼らは、撮影を円滑に進めるため、役名で呼びあい、その役柄に相応しいように振る舞うのです。今風な表現をするならば、マーダーミステリーを遊んでいる役者を登場人物にした推理ゲームなわけで、その多重構造に目を剥きました。
また、本作は犯人当てであると同時に、殺人防止ゲームでもあり、連続殺人犯によって被害者が生み出されるのを未然に防ぐゲームでもあります。見立てから得られる情報を元に、いかに被害者候補たちを守り抜くのか、そういったゲーム性もあります。
難易度が高く、かなり攻略サイトのお世話になりましたが、非常に面白かったです。
舞台「LIAR GAME murder mystery」
上野の飛行船シアターで開催されたライアーゲームとマーダーミステリーの公演『LIAR GAME murder mystery』を観劇しました。
和気あいあいと女性キャストがライアーゲームやマーダーミステリーに興じる姿は素敵で、楽しいひとときでした。
マーダーミステリーは夜の部を見たので『ある孤島の洋館殺人事件』というシナリオでしたが「見せること」にこだわった作りになっており、安心して見ることができました。
グランブルーファンタジー
9周年おめでとうございます。
グラブルを遊び始めたのは、ちょうどイベント「届かないほど、近くのあなたへ」が開催されていた頃なので2015年6月。
当時は『アイドルマスター シンデレラガールズ』が『神撃のバハムート』と『ナイツオブグローリー』と共に連携コラボを行っていたので、特典欲しさに始めました。まさか『アイドルマスター シンデレラガールズ』より長く続くなんて、当時は思いもしませんでしたね。
グラブル9周年!
— あきやま まこと🍏ゲムマA36 (@unjyoukairou) 2023年3月10日
と言うことは遊び始めてから8年かー。 pic.twitter.com/16R1Q0FeBk
第9回ミスボド本厚木
ホイルドッホ
ゲシェンク
乗り間違い
前回は3人で遊びましたが、やはり4人が適性ですね。
運要素もありますが、プレイング次第でリカバリできるバランスが好みです。
500ラミー
ラブレター10周年記念版
ニゴイチ
極限脱出ADV 善人シボウデス
昨年10月にシリーズ第1弾『極限脱出 9時間9人9の扉』を遊び直して、記憶も新たにしたところで着手しました『極限脱出ADV 善人シボウデス』。
『999』がプレイ時間10時間弱だったので、本作も同程度のつもりで遊び始めたのですが、クリアに要した時間は28時間。あまりの分岐数とステージの多さに目眩を覚えました。
感想としては、とても良かったです。直前に『999』を遊び直していたこともあるかもしれませんが、謎のクォリティも、ストーリーのクォリティもグッと向上しつつ、仕掛けもより大掛かりになっていたので大満足の一言です。
特にメインヒロインのファイが気に入り、最後まで楽しく遊べた同時に、3部作の完結編となる『ZERO ESCAPE 刻のジレンマ』に対する期待値が高まります。
3作目で、この世界観がどのように片付くかは分かりませんが、今のところ天明寺のことを考えると胸が締め付けられますね。少しでも彼が報われればと思う限りです……。
陸秋槎『元年春之祭』
中国のミステリ作家、日本の新本格の影響を受けているという評を見て気になり、デビュー作の『元年春之祭』を手に取りました。
が、かなり苦戦しました。とにかく人物の名前が覚えられないのです。カタカナの名前が覚えられず、海外翻訳ミステリを苦手なのですが、中国人の人名は輪を掛けて覚えられません。また、文化的な表現も受け止めきれず、能動的に読んだというより、文字を表面上なぞったという、難しめのSFを読む姿勢で読んでしまいました。
次は当初から読みたかった『文学少女対数学少女』に臨んでみますが、こちらも駄目なら敗退かもしれません。
住吉九『ハイパーインフレーション』
祝完結、住吉九『ハイパーインフレーション』。
第1話から追っていましたが、激しい経済攻防戦に、変態的な言動の数々が面白く、毎週、楽しみに追っていました。次回作も期待大ですね。
清涼院流水『2022年2月22日午後2時22分』
たまたま視界に入ったので清涼院流水『2022年2月22日午後2時22分』を読みましたが愕然としました。
当時、『ザ・スニーカー』は購読していましたし、『キャラねっと』も既読なので、この企画は絶対に目にしているはずです。しかし、まったく記憶にありませんでした。もちろん雑誌も本も、手放して久しいです。参加できたはずの秘密のお祭りを逃してしまったようで、とても残念です。
ケンブリッジの迷宮
iDventure社のクルーボックスシリーズの新作『ケンブリッジの迷宮』を遊びました。
本作は箱の表面が一部、プラスチックで覆われており、パチンコ玉を動かすという初めて見るタイプのギミックが実装されていました。
パチンコ玉を動かしていくことで、箱の状況が変化し、それによって動かせなかったところが動かせるようになる、というのは面白い発見でした。
Bladed fury(幽林怪談)
中国の春秋戦国時代を舞台にしたメトロイドヴァニア『Bladed fury(幽林怪談)』を途中まで遊びました。
水墨画風の中華イラストに爽快感が高めのアクションが楽しくて遊び始めましたが、わりと進行が単調であることに加え、和訳レベルが気になってしまって、途中でコントローラーを置いてしまいました。雰囲気は素晴らしいので、武侠小説好きには特にオススメしたいですね。
Before I Forget
記憶喪失(?)の女性主人公を操作し、記憶と真実を取り戻すADV『Before I Forget』を遊びました。
最初は主人公がどういう状態にあるのかも分からないので、手探りで家の中を探索するわけですが、少しずつ物語の輪郭が見えてくると胸が締め付けられました。環境ストーリーテリングを用いた、良い作品です。
第43回トランプ勉強会
レオパルド
ロバート・アボットによる2人ないし4人用のトランプゲーム『レオパルド』を遊びました。
タイトルのレオパルドは豹のことです。盤面の赤カードと黒カードが目まぐるしく変化するのが特徴で「人の本質を変えることはできない」という意味の英語のことわざ「a leopard can't change its spots(豹は体の斑点を変えることができない)」が元になっているのが面白いです。
2人プレイと4人プレイを両方とも試しましたが、実質2人プレイのゲームです。4人プレイは非推奨です。
コロネル
『ジンラミー』と『ラミィキューブ』を足して3で割ってしまったような薄味のゲーム『コロネル』。今ひとつでした。
ミル
『ミル』非常に大味のゲームでした。
大味とは、このゲームのためにあると言っても過言ではないくらい大味でした。
シヴィライゼーション6
多くのゲーマーを虜にし、時間泥棒として無限の時間を吸い上げてきたであろうシミュレーションゲームに興味を持って、手を出してみました、噂の『シヴィライゼーション6』。
なるほど多くのゲーマーが夢中になるのも分かります。打てば響くと言うか、試すとすぐに反応が返ってくるので、ただひたすらに最適解を追求したい気持ちになります。攻略サイトを見つつ、まずは最低難易度でスコア勝利と制覇勝利を、1回ずる達成しましたが、これだけで既に充分に満足感が高いです。
より高みを目指したい気持ちを抱えつつ、無限の時間を吸い取られるわけにはいかないので、いったんお休みします。
Inside
シチュエーションは、まったく分かりませんが、なんとなく脱北というキーワードを思い浮かべました。
どんな手を使ってでも、絶対にディストピアから脱出するというゲーム『Inside』。
ちょっと遊ぼうと思ったら、思いの外、ステージ数が多く、クリアに時間を要しましたが、薄暗闇と静謐に満ちた不気味な世界から、命からがら脱出できました。
英国アンティーク博物館
鎌倉にオープンした英国アンティーク博物館を訪ねました。
けして広いわけではありませんが、様々な要素が凝縮されていて、濃密な時間を過ごすことができました。
行ってきました、英国アンティーク博物館。こじんまりとしていたけれど、密度が濃くて楽しめました。#BAM鎌倉 pic.twitter.com/sbS73E5pmc
— あきやま まこと🍏ゲムマA36 (@unjyoukairou) 2023年3月21日
Chinatown Detective Agency
2037年の近未来シンガポールを舞台にした『Chinatown Detective Agency』を途中まで遊びました。
サイバーパンクな世界観が好ましく、各都市の年表情報を見ると、2023年以前と以後が同列に書かれており、現実の地続きに存在するSF世界がクールでしたが、とにかく難易度の高さに舌を巻きました。
推理ADVなのですが、謎を解くにはゲーム内で調査するだけでなく、そこで得られた情報を元に、Google検索を駆使し、リアルな情報を現実でかき集めなくてはなりません。たとえば、ある名言から、その出典となる書籍を探したり、切手の画像を見て、それが何処から何処へ送られたものかを探したり……推理ADVと言うより、ARGに近いです。
プレイ感それ自体は楽しいものですが、ゲーム内での1分が現実世界の1秒なので、Google先生に聞いている間にもゲーム内の時間は飛ぶように過ぎ去っていきます。事件を解決するためには、他国に飛ぶ必要があるのですが、飛行機の搭乗時間は決まっていますし、財布の中身も限られます。結果、プレイヤーとしての最適解は、謎が出題される度に、スマホで画面を撮影し、いったんゲームを中断し、スマホを見つつ、Google先生にお尋ねすべくブラウザを立ち上げることになります。
面白かったのですが、最後までは遊びきれませんでした。残念!
Lamentum
クトゥルフ感のあるホラーADV『Lamentum』を少しだけ遊びました。
推理要素は低めで、どちらかと言うと初代『クロックタワー』同様、謎めいた洋館を探索しながら、アイテムや情報を集め、異形の存在と戦いつつ、少しずつ行動範囲を広げる感じです。
2Dドット絵で、驚かし要素は少なめなので、怖いのが苦手な方でもギリ遊べそうです。
パラノマサイト FILE23 本所七不思議
『探偵・癸生川凌介事件譚』で知られる石山貴也さんの新作『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』を遊びました。
石山貴也らしいと言うか『永劫会事件』を思い出させる、複数の陣営、人物が複雑に絡み合いながら、一本の線によりあわさっていくのが美しい、完璧に近い推理ADVでした。小林元さんの昭和感のあるイラストも良かったですね。
全体的に満足度高めですが、エンターテイメントとして、いちばん熱中して、いちばん引きずり込まれたのは最序盤でした。ほんとう興家彰吾編を遊んでいたときは、『Fate/stay night』を超えたと感じました。
新米オーナー、見習いスタッフたちとレストランを救う。
リアルタイムにお題を満たすミッション達成型の協力ゲーム『新米オーナー、見習いスタッフたちとレストランを救う。』を遊びました。
他プレイヤーの手元を見つつ、気遣いプレイしないとすぐに詰むので、まんべんなく見渡しながらのプレイが求められます。
アメリアの秘密
すごろくやさんから日本語版がリリースされた、自宅で遊べるタイプの謎解きゲーム。
AR技術を用いた作品で、拡張現実で自宅を脱出しなければならない洋館にするという仕掛けが面白いです。ただ、自宅で遊んだ場合、どうしても生活空間で遊ぶことになるので没入できません。これを遊ぶためだけに1時間、貸し会議室を借りても良いかもしれません。
阿津川辰海『入れ子細工の夜』
前々から読みたいと思っていたのですが、何故か新し目の短編集から入ってしまいました、阿津川辰海『入れ子細工の夜』。
4編の短編集は連作ではなく、どれも1話完結型のトリッキィなもの。どの作品も違う方向で実験的で「意欲的!」と思うと同時に、毎回、勝手が違うので、ちょっと読むのに苦労しました。敢えて言うと、著者の、狂おしいまでのミステリ愛が伝わってくるので、それがある種のテーマかもしれないとさえ思いました。
終わりに
今月のベストは、なんと言っても『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』ですね。
素晴らしい体験でした。