雲上ブログ〜謎ときどきボドゲ〜

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トランプゲームの歴史を丁寧になぞる『トランプゲームの源流 第1巻 トリックテイキングゲーム発達史』の感想


 ニューゲームズオーダーから刊行された黒宮公彦『トランプゲームの源流 第1巻 トリックテイキングゲーム発達史』を読みました。
 冊子版は定価3,850円と高めの本ですが、トランプゲームの歴史に詳しくなりたい方には必携の1冊と言えます。

本の概要

 タイトルの通り、トランプゲームの歴史についてまとめた本です。
 当初は1冊で完結する予定だったそうですが、予想外に長くなってしまい分冊化することになったそうです。今回、紹介する第1巻は「トリックテイキングゲーム発達史」というサブタイトルがついており、主に切り札とビッドについて書かれています。切り札とビッドの話だけで1冊分も書かれているので、この点だけでも凄まじいことが分かりますね。
 ニューゲームズオーダーさんのサイトでは、けっこう分量が試し読みとして公開されています。購入するかどうかの判断基準になると同時に、試し読み部分を読むだけでも、人並み以上にトランプに詳しくなれます。

本の感想

 目次を見ると『カーネフェル』や『オンブル』などのタイトルが並んでおり、トランプゲームのルールブックとしても機能しているのかなと考えていました。
 しかし、本書におけるトランプゲームのルールはメインではなく、どちらかと言うと歴史を知るうえで、実証としてルール説明がされているというか、時代ごとにこういう理由で、このようにルールが変化してきた、という観点で書かれています。従って「面白いトランプゲームを遊びたい」という姿勢で向き合うよりも「この時代の雰囲気を肌身で知りたい」というところに気持ちを置かないとしっくり来ないことでしょう。


 わたしはトランプ好きで、いままでトランプの本を何冊も読んできました。
 知っていることも書いてありましたが、明らかに知らないことの方が多かったです。
 トランプは情報が少なく、分かっている歴史が少ないのですが、多くの文献をあたり、蓋然性の高い意見としてまとめられているので、非常に興味深く、読ませていただきました

終わりに

 トランプゲームの歴史を知りたい方はもちろん、トリックテイキングについて詳しくなりたい方にもオススメです。
 第2巻も楽しみですね。